本店移転登記について

会社の本店移転をお考えですか?

「移転の手続きが複雑そうで不安…」という方も、この記事を読めば、令和7年4月21日の法改正に対応した最新の本店移転登記の方法がすべてわかります。

目次

本店移転登記とは?なぜ必要なのか

会社の本店は、法人活動の中心となる所在地であり、登記簿に記載される重要な情報です。
そのため、本店を移転した際には必ず登記が必要となります。

登記を怠ると、以下のようなリスクがあります:

  • 商業登記法違反として過料の対象となる
  • 取引先や金融機関からの信用を損なう
  • 行政機関からの通知が届かなくなる

本店移転登記の流れ【5ステップ】

① 本店移転の決定【管轄内・管轄外で異なる】

● 管轄内の移転(例:同一市区町村内)

  • 定款に「当会社は、本店を東京都目黒区に置く。」と記載されている場合、目黒区内での移転は定款変更不要
  • 取締役会決議または取締役の決定で足ります。

→もっとも、 定款に「○丁目○番地」と詳細記載があり、その住所が変わった場合は、定款変更が必要です。

● 管轄外の移転(例:目黒区から品川区)

  • **定款変更(株主総会の特別決議)**が必要
  • 本店の具体的所在地の決定には、取締役会議事録または取締役の決定書が必要
  • 小規模閉鎖会社は株主総会議事録(株主リストも必要)だけで可

● 商号・住所の重複に注意!

  • 管轄外に移転する場合、移転先で同一商号・同一住所の会社が存在すると登記できない
  • 類似商号による不正競争防止法違反にも注意!(事前に調査が必要です)

● 定款記載のコツ

  • 本店所在地は「市区町村」レベルにとどめると、今後の移転がスムーズになります。

② 必要書類の準備

管轄内での本店移転の場合の必要書類

書類名内容・備考
登記申請書法務局様式
取締役会議事録または取締役の決定書
委任状司法書士などに依頼する場合

定款に本店の具体的な住所の記載がなく、「東京都目黒区」などと記載している場合は、以上で足ります。

管轄外の本店移転の場合の必要書類

【旧本店所在地(現在の管轄法務局)への提出書類】
書類名内容・備考
登記申請書本店移転(管轄外)による移転登記申請書
株主総会議事録定款変更(本店所在地の変更)を決議したもの(特別決議)
株主リスト株式会社の場合に添付必須
取締役会議事録または取締役の決定書本店の具体的所在地を決定したもの(株主総会決議で決定した場合は不要)
委任状代理申請の場合に必要(司法書士などに依頼する場合)

【新本店所在地(移転先の管轄法務局)への提出書類】
書類名内容・備考
登記申請書本店移転(新本店設置)による設置登記申請書
委任状代理申請の場合に必要(司法書士などに依頼する場合)※新本店用にはこれのみ提出で可

この場合、書類を旧本店所在地と新本店所在地に別々に送付する必要はありません。

管轄外への本店移転の場合は、旧本店所在地の管轄登記所に、旧本店・新本店の書類両方を提出することになります(経由申請と言われています)。

いきなり新本店に「本店移転をしました」と言っても、法務局の職員も本当かわかりませんよね。

そのため、旧本店を経由して申請をする必要があるわけです。

③ 登記申請書の作成

申請書には、移転先住所、決議日、添付書類の内容などを記載します。

④ 法務局へ申請(書面 or オンライン)

  • 管轄法務局(旧本店)へ書面持参またはオンライン申請が可能です。

先程も述べましたが、新しい本店移転の登記も旧本店から経由して行われることの注意が必要です。

手続きが面倒という方は多いと思います。その場合は当事務所にお任せください。

⑤ 登記完了・証明書取得

  • 場所によりますが、長くても数週間ほどで手続きが完了します。
  • 登記事項証明書を取得して、各所に提出しましょう。

【改正対応】印鑑届は原則不要に(令和7年4月21日施行)

令和7年4月21日から、本店移転時の印鑑届が原則不要となりました(管轄外移転の場合)。
旧所在地の登記所が印鑑記録を新所在地へ送る仕組みが整備されたためです。

注意点:

  • 印鑑カードは移行されません。
    → 新所在地で改めて請求が必要です。
  • 改印する場合は、移転前または移転後に届出が必要です。

費用の目安(法人の場合)

項目概算費用
登録免許税(管轄内)3万円
登録免許税(管轄外)6万円(旧3万+新3万)

本店移転登記の注意点まとめ

  • 登記期限:移転日から2週間以内に申請
  • 書類不備・記載ミス:補正・却下の原因に
  • 印鑑カード:管轄外の本店移転の場合移転後に新たに取得
  • 代表取締役の住所変更にも注意!
    → 代表者が本店と同じ住所に居住していて住所が変わった場合、代表取締役の住所変更登記も必要です。
    住民票などの添付は不要、登録免許税は1万円(資本金1億円以下の場合)

本店移転後に必要なその他の手続き

登記だけでなく、以下のような届出も必要です:

  • 税務署への異動届(異動日から1か月以内)
  • 都道府県税事務所・市区町村役場への届出
  • 年金事務所・労働基準監督署・ハローワークなどへの変更届

本店移転登記は専門家にご相談ください【初回メール相談無料】

文京区湯島にある**栗栖司法書士行政書士事務所**では、会社の本店移転登記をはじめ、各種法人登記に対応しております。

当事務所は単に登記手続きをするだけでなく、本店移転に関わる株主総会議事録、株主リスト及び取締役会議事録等の作成をお手伝いすることが可能です。

  • 東京都、千葉県、埼玉県、神奈川県など首都圏エリア対応
  • 初回のメール相談は無料で承っております
  • 会社登記のご依頼については、ご希望に応じて貴社オフィスへ訪問対応も可能です

「登記や届出の手続きが煩雑で不安…」という方は、ぜひ当事務所へご相談ください。
司法書士が責任を持って、スムーズな本店移転をサポートいたします。

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