令和6年度司法書士試験択一 午前の部(1問目か3問目まで)

司法書士試験は難関試験と言われます。

確かに合格率は5%から6%程度といったもので、それほど優しい試験ではありません。

私も今年の令和6年度の司法書士筆記試験になんとか合格することができました。

ただ、正直に言うと「もう二度と受験をしたくない」と思っています。

択一の科目だけでも11科目もありますし、加えて記述式試験もあります。

不動産登記法のテキストだけで1000ページ以上です。

ページ数が少ない科目もありますが、正直うんざりですよね。

ただ、司法書士試験は難関試験ですが、合格者は神様ではありません。

私も令和6年度司法書士試験午前の部の択一では99点でしたが、すべての問題を確信して解いたわけではありません。

また、ほかの受験生が取れる問題を、勘違いして間違えたということもあります。

今回は私が令和6年度司法書士試験午前の部の択一において、どういうことを考えて解いていたのかを解説したいと思います。

受験生の方の中には「ここは自分のほうがよく理解している」という部分があると思います。

そうであれば、その気持ちを大切にしてください。

私を見れば「合格者ってあまり大したことがないんだな」と分かるはずです。

1問目

1問目から3問目までは憲法です。

憲法については3問とも正解するんだという気持ちで臨みました。

アについては有名な判例なので大丈夫だと思います。

あと、エなのですが、これもかなり有名な判例だと思うので大丈夫でしょう。

この時点でアとエが正解なのがわかり、答えが3番と4番に絞れます。

そこでウとオを比較すると、オは見たことがあるような肢ですよね。予備校の模試でもよく出ますし、過去問でもよく出ます。

そのため、オが正しいということもさほど迷わないのではないでしょうか?

最後にウをみると、「手段・方法にかかわらず」とあります。

このウの肢は、西山事件に関するものですよね。西山事件では「取材対象者の人格を著しく蹂躪した本件取材行為」として問題となりました。

まあ、このことがわからなくても「手段・方法にかかわらず」というのはかなり怪しいと思っていいと思います。

「ちょっと教えてくださいよ」と言っただけで、違法な取材にさせられたらたまりませんから。

1問目の問題を解くときは、もしも本試験もいつも緊張するのですが、この問題は比較的楽に解けたと記憶しています。

ちなみに、第1問のところにバツが3つあるのは「確実に正解だから見直しはしなくていい」という意味です。

これをすることで見直しの時間を減らすことができます。

2問目

2問目は学問の自由についての問題です。

受験生の方の中には「ケアレスミスをしてしまう」という方がいると思います。

そういう方にお勧めしたいのが、問題文に正しいものを選べとあるときは問題文の上部に「正しい」、間違っているものを選べというときは、問題文の上部に「間違っている」と書くか、バツを書くことです。

これでケアレスミスはかなりなくせます。

アについては間違っているのはすぐにわかると思います。

また、オは東大ポポロ事件という有名な事件ですが、これも不正解ですよね。

東大ポポロ事件では「学生の集会が真に学問的な研究またはその結果の発表のためのものでなく、実社会の政治的社会的活動に当る行為をする場合には、大学の有する特別の学問の自由と自治は享有しない」とされています。

実はアとオが不正解と分かった時点で、正解の肢が3番になることがわかります。

択一試験の肢の検討ですが、私は基本的にはアから検討していましたが、難しそうであればほかのから検討したりしていました。

択一試験は時間との戦いなので、分かりやすいものから解いていくという姿勢が必要だと思います。

ちなみに、イについては、普通に正解ですし、ウは教育権についての判例を知っていればわかりますよね(泡日川学力テスト判決)。

あと、エなのですが、現在教科書検定は行われています。

司法書士試験は国家試験です。

国家試験において現在行われている教科書検定制度が「違憲である」という肢が正解になることはまずないですよね。

もちろん間違っています。

ちなみに、問題に丸が付いているのは「正解だから大丈夫」という意味です。

これを言うと「一問目ではバツだったのに」とおっしゃる方がいると思うのですが、やり方は自分次第でいいと思います。

問題を解くのは私なので、私にとって一番いいやり方をしています。

第3問

3問目は裁判所の組織と機能についての問題です。

「正しいものを選べ」という問題なので、問題文の上部に「正しい」と記載しています。

アは、最高裁判所の長官の任命は天皇ですが、ほかの最高裁判所の裁判官の任命は内閣がします。

間違えやすいので注意してください。

憲法第80条:最高裁判所長官以外の裁判官は内閣が任命する

イについては「公の弾劾」によっても罷免されます。

ウについてもよく言われますが、行政機関が行政処分についての審査請求や異議申し立てについて採決な意思決定をすることは問題ないとされています。そのため、この肢も間違いです。

エについては、受験生の多くの方は大丈夫だと思います。国民審査はリコールのための制度ですよね。だから正解。

オについては、対審と判決を間違えないでください。

判決は常に公開します。

全員の一致で非公開にできるのは「対審」です。

この肢は正解です。

憲法82条2項本文 裁判所が、裁判官の全員一致で、公の秩序又は善良の風俗を害する虞があると決した場合には、対審は、公開しないでこれを行ふことができる。

問題を見ると「あれ?」と思う方がいると思います。

正直私は統治が苦手です。

ほとんど勉強していないので…。

この問題が正解できたのは、エとオが確実に正解だというのがわかったからです。

問題を解いているときは不安でしたが、答えが正しいことについては自信を持っていました。

そのため、3問目の部分に〇が付いていますよね。

正解を出すにはすべての肢を理解している必要はありません。

自分の持っている数少ない知識を総動員してなんとかやりくりすることも大切だと思います。

憲法についてはなんとか全問正解で切り抜けることができました。

本試験の時も、憲法については大丈夫だと思っていたのでほとんど見直しに時間を使いませんでした。

その分ほかの科目の見直しに時間を使えたのが、99点という比較的高得点になった理由だと思います。

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