知識の確認としての所有権に関する登記

試験から4か月以上たっており、知識が抜け落ちている可能性があります。

そこで、知識の確認を含め記事を書いていきたいと思います。

目次

所有権保存登記

私は小泉司法書士予備校の講義を取っていたのですが、確か一番最初に勉強したのがこの所有権保存登記だったと思います。

これがなければ権利部は始まりません。

司法書士試験受験生で所有権保存登記を見たことがない方はいないと思います。

この所有権保存登記は権利部の1番に「所有権保存」といった形でされています。

法務省のウェブサイトhttps://www.moj.go.jp/content/001309855.pdfにある見本をjpegで掲載しました。

当然ですが「見本」となっています。

これを「これ俺のなんだ!」などと言ってはいけません。後でとんでもないことになります!

権利部(甲区)1の部分に所有者甲野太郎さんの所有権保存登記がされています。

ただ、権利部(甲区)1番に所有権保存登記でなく所有権移転登記がある場合も実際はあるんですよね。

なぜかというと、登記簿が電子化されたときや移し替えられた時に移記される場合があるということです。

その場合、前に遭った登記は省略され、所有権移転登記が権利部(甲区)の1番に来ることになります。

登記簿に「順位2番の登記を移記」などと書かれています。

これを私は宅建の実務講習で学びました。

登記申請情報

登記の目的 所有権保存

所有者 東京都北区○○一丁目4番6号 A

添付情報 住所証明情報

     代理権限証明情報

令和5年4月13日不動産登記法74条1項1号申請

課税価格 金1000万円

登録免許税 金4万円

司法書士試験受験生にはなじみのある登記です。

わからない人に説明すると、不動産登記法74条1項1号申請というのは、表題部所有者(1号前段)または表題部所有者からの一般承継人(相続人等)(1号後段)によるものという意味です。

他には、所有権を有することが確定判決により確認されたものによる申請(2号申請)、収用によって所有権を取得した者による申請(3号申請)、区分建物の表題部所有者から直接所有権をした者によってなされる申請(74条2項申請)があります。

司法書士試験の口述模試でこの部分について聞かれたのですが、本番では全く聞かれませんでした…。

登録免許税

登録免許税は課税価格の1000分の4です。

ただ、実際は減税措置など上がるので、教科書通りにはいかないそうです。

所有権移転登記

売買契約による所有権移転の場合

所有権に関する登記の中で、所有権保存登記の次によく見るのが所有権移転登記とこの後に述べる所有権登記名義人の氏名又は住所変更の登記と言われています。

所有権移転登記で多いのは「売買」と「相続」ですが、ここでは「売買」による所有権移転登記について述べていきます。

先ほど掲載した法務省のホームページhttps://www.moj.go.jp/content/001309855.pdfのPDFを加工したjpeg画像です。

権利部(甲区)2番をご覧ください。

甲野太郎氏から法務五郎氏への所有権移転登記がされています。

原因が令和1年5月7日売買で、受付年月日が令和1年5月7日第806号となっているので、売買契約をしたその日に、登記申請をしたという事がわかりますよね。

ここでもう一つ注意してほしいことがあります。

それは、権利部(乙区)1番の抵当権設定登記についてです。

この抵当権設定登記では、受付年月日が令和1年5月7日807号となっています。

売買により土地や建物の所有権を取得した場合、一括して支払いをすることはほぼ無理ですよね。

この場合当然ですがローンを組むわけです。

この抵当権でも、登記原因を見ると株式会社南北銀行から法務五郎氏に対して金銭の貸し付けがなされていることがわかります。

そして、その担保として抵当権設定登記をしているわけです。

所有権保存登記から抵当権設定登記、抵当権抹消からの所有権移転、そして抵当権設定登記のパターンは非常によくあるそうです。

登記申請情報

登記の目的 所有権移転

原因 令和7年1月5日売買

権利者 東京都中野区○○三丁目8番5号 B

義務者 東京都北区○○一丁目4番6号 A

添付情報 登記原因証明情報

     登記識別情報(Aのもの)

     印鑑証明書(Aのもの)

     住所証明情報(Bのもの)

     代理権限証明情報(A及びBの委任状)

課税価格 金1000万円

登録免許税 金20万円

課税価格

売買契約に基づく所有権移転登記の場合は、登録免許税は不動産価格の1000分の20となります。

もっとも、減税措置などがある場合もあります。

相続による所有権移転登記

相続による所有権移転登記については、登記申請情報を示すだけにします。

登記申請情報

登記の目的 所有権移転

原因 令和6年5月18日相続

相続人(被相続人A)D

添付情報 登記原因証明情報

     住所証明情報(Dのもの)

     代理権限証明情報(Dの委任状)

課税価格 金1000万円

登録免許税 金4万円

添付情報

相続の場合に必要となる添付情報は主に以下の通りと私は試験で学んでいます。

Aの生まれたときから死亡するまでの戸籍・除籍謄本

また、Aの戸籍謄本に記載された住所が登記簿と異なる場合は戸籍の附票又は住民票の除票

Dの戸籍謄本(Aが亡くなった日以降に発行されたもの)

Dの住所を証する書面(住民票の写し)

また、添付情報ではありませんが、登録免許税の課税資料として固定資産課税明細書も集める必要があります。

登記名義人表示変更登記

所有権に関する登記で所有権移転登記と同じくらいよく見るのが、登記名義人表示変更登記です。

これは所有権登記名義人の住所や氏名が変更した場合にされます。

今回は住所変更があった場合を想定してみます。

登記申請情報

登記の目的 1番所有権登記名義人住所変更

原因 令和3年3月30日住所移転

変更後の住所

    東京都江東区○○一丁目1番1号

申請人 東京都江東区○○一丁目1番1号 A

添付情報 登記原因証明情報

     代理権限証明情報(Dの委任状)

登録免許税 金1000円

ちなみに、共有者の住所移転があった場合は変更後の住所の欄に「共有者Aの住所 東京都江東区…」といった感じで記載します。

この「共有者Aの住所」の部分は、過去問などを解くときによく間違えるので注意していました。

まとめ

今回は私の司法書士試験の知識の確認を兼ねて、所有権に関する登記で登記簿上よくみられるものについて書いてみました。

まだ就職が決まっていないのですが、基本的な知識だけはなくさないようにしないといけません。

そのためにも、どんどん記事を書いていきたいと思います。

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