内容証明を出す前に「証拠」の有無をチェックすることの重要性

内容証明郵便は、相手に対して法的な主張を明確に伝える手段として広く知られています。

「内容証明なんて無視される場合もあるから、お金がもったいない」「裁判をやったほうがいい」という方もいます。

しかし、売買契約における代金の支払い請求など、これを受け取った相手が支払いに応じるケースも実際に存在します。

また、裁判をやった場合、相手との人間関係は破壊されることが多いです。

「人間関係をある程度維持したままで問題解決を図りたい」という場合、内容証明は有効な手段になります。

その意味で、内容証明は決して無意味なものではありません。

しかしながら、「内容証明をとりあえず出せばいい」という考え方には、私は賛成できません。

内容証明の送付には、それなりのリスクが伴うからです。

今回は、内容証明を相手に送付する前に、何をしておくべきかということについて私の体験も交えて説明させていただきます。

目次

内容証明を送付する場合は慎重な判断を

内容証明は、裁判ほどの強制力はありませんが、相手方にとっては明確なプレッシャーになります。

請求内容が根拠のあるものであれば、それが交渉の一歩になることもありますが、証拠が不十分な場合や、感情的な勢いで送った場合、逆効果となる可能性もあるのです。

たとえば、文面の内容によっては、相手から「一方的に脅迫された」と主張され、場合によっては逆に訴えられるリスクもあります。

ちなみに、内容証明は裁判に証拠として提出することができます。

裁判などの場で内容証明が証拠として提示されることも考えると、その内容が法的にも倫理的にも適切であるかは、慎重に見極めなければなりません。

裁判を見据えた「証拠」の存在がカギ

内容証明を相手に送付するうえで一番重要なのが、もし相手が内容証明を無視した場合、その次のステップとして「裁判」などの法的措置を視野に入れる必要があるということです。

その際に最も重要となるのが、主張を裏付ける「証拠」の有無です。

請求の正当性を証明する契約書、請求書、メールのやりとり、振込記録など、法的に有効とされる証拠がなければ、どれほど正しい主張でも裁判で認められない可能性があります。

内容証明を出す前には、まずご自身の主張を裏付ける資料があるか、改めて確認していただくことが何よりも重要です。

証拠を全く集めていない状態で、とりあえず内容証明を送ってみて、無視された場合はイチかバチかで裁判という方もいるのかもしれませんが、そういうやり方は、私はお勧めできません。

きちんと証拠を集めたうえでの内容証明の送付をお勧めします。

お問い合わせフォームはこちら👉 https://kurisu-office.com/question/

費用のかからないというメリットについて

よく、「内容証明は無視されることもあるから、その後のことを考えると弁護士に依頼したほうがいい」という方がいます。

私はこれを否定する気はありません。

私は現在司法書士登録と行政書士登録をしていますが、弁護士ではありません。

では、弁護士資格のない人間に内容証明の作成を依頼することは無駄なのでしょうか?

まず、当事務所の内容証明作成費用ですが、当事務所では内容証明の作成は2万円からになります。

そして、内容証明を送付して、相手がきちんと対応した場合、解決までにかかる費用は2万円で済みます。

弁護士が内容証明を送付した場合でも、解決することはあるでしょうが、内容証明の作成のみで対応する弁護士はほとんどいないと思います。

費用対効果という面において、司法書士・行政書士の私に依頼することはメリットがあると思います。

弁護士との連携について

私自身の本人訴訟の経験から

「じゃあ、行政書士のいる弁護士事務所に行けばいいじゃないか」という意見もおありだと思います。

まず、弁護士事務所に内容証明の作成にのみ対応する行政書士が常にいるとは限りません。また、その事務所が内容証明については常に行政書士に作成させる方針かもわかりません。

私自身の考えでは、弁護士と連携はそれほど難しく考える必要はないと思います。まあ、当事務所には弁護士がいるのですが…。

実は、私は本人訴訟をやって勝訴(完全勝訴でした)したことがあります。

その際に、弁護士の動画などを何度か見ていたのですが、ほとんどの弁護士がおっしゃっていたのが、「民事裁判では証拠がすべてだ」ということです。

訴状の書き方がでたらめで何を言っているのかわからないというのは論外だと思います。

しかし、ある程度しっかりとした立論で、証明力の強い証拠を持っていれば、必ず勝てるとまでは言わなくても、民事訴訟では有利になるということだと、私は、動画や書籍によって判断しました。

ちなみに、私の裁判においては、被告人となる人物が、事実をある程度認めているメールがありました。

それ以外にも、同級生らに当時の状況を聞き出して、「このような事実と、被告人の書いたメールがあるので○○という事実が推認される」という形で、訴状を書いていきました。

私が本人訴訟をやって、勝訴した後に感じたのは、「民事裁判では証拠というものが非常に重要なのだ」ということです。

証言だけでは…(時と場合によるが…)

書籍や動画などでは、「証言というのはそれほど重視されない」と言われていました。

考えてみればなんとなくわかります。

私が証人に裁判で証言してもらう場合、私にとって都合の良い証言をする証人を呼ぶはずです。

当然ですが、プロである裁判はそれを知っているわけです。

そのため、いくら証人が私に有利な証言をしても、裁判官は「この人は自分に有利な証言を集めたんだろう」と判断するのだと思います。

ただ、それを裏付ける証拠があった場合は別です。

そして、それは内容証明を出すときにも当てはまると思います。

もし、内容証明を出す側が強い「証拠」を持っている場合は、相手方としても「争っても無駄」と判断し、きちんとした対応をすることが考えられます。

お問い合わせフォームはこちら👉 https://kurisu-office.com/question/

日本一腕の良い弁護士でないと裁判に勝てないというわけではない

また、最近は弁護士の数が増えており、弁護士を探すことに容易になってきました。

例えば、売買契約の代金支払い請求などにおいて、売買契約書などの強い「証拠」があった場合、通常の弁護士に依頼すれば、きちんと対応してくれるはずです。

それ以外にも、未払い賃料の請求でしたら、通常は銀行振り込みなので、振り込みがなければすぐにわかるはずですし、普通は通帳を証拠として出すことができます。

何も日本一腕のいい弁護士を探す必要はないのです。

「友達100人できるかな」という歌がありましたが、内容証明を作成する際に、必ず弁護士の知り合いの多い行政書士を探す必要はないということだけは申し上げておきます。

一番気にすべきことは、依頼する行政書士やに弁護士の知り合いが何人いるかではなく、自分の側に裁判でも使える強い証拠があるかということです。

生成AIとの比較について

今までは、専門家に内容証明の作成を依頼するという前提で話を進めてきました。

しかし、最近は生成AIIの進化が凄まじく、特に文章の作成については、人間以上とも判断できるため「生成AIに内容証明を作成してそれに手を加えれば大丈夫」という方もいると思います。

あたっている部分はあると思います。

しかし、生成AIは時折間違える場合があります。

また、生成AIが内容証明を作成しても、それが適切なものであるか判断する必要があります。

やはり、弁護士や行政書士などの専門家の判断が必要なわけです。

生成Aiが使われるようになった現在でも、専門家の価値は失われないと私は思っています。

当事務所の対応方針について

私たち、文京区湯島にある司法書士・行政書士事務所では、内容証明の作成についてご依頼をいただいても、すべてをそのままお引き受けするという方針ではありません。

ご相談の際には、内容証明の送付によって何を目的とされているのか、証拠が十分に整っているか、そして送付後の対応についてご本人がしっかりと考えておられるかを丁寧にヒアリングいたします。

そのうえで、必要かつ有効と判断できる場合にのみ、作成をお引き受けしています。

内容証明の作成・送付は、一つの戦略であると同時に、法的リスクを伴う行為でもあります。

安易な判断が、かえってご自身の立場を不利にしてしまうこともありますので、ぜひ専門家のアドバイスを受けながら、慎重に進めていただければと思います。

全国対応も可能です

当事務所では、東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県を中心に対応しておりますが、内容証明については全国からのご相談・ご依頼にも対応可能です。

様々な手段を活用して、遠方のお客様にも丁寧なサポートをご提供いたします。

113-0034

東京都文京区湯島四丁目6番12号B1503

栗栖司法書士行政書士事務所

電話番号03-3815-7828

お問い合わせフォームはこちら👉 https://kurisu-office.com/question/

なお当事務所は予約制です。事前に電話かメールでの予約をお願いします。

目次