【銀行の相続手続き】必要書類・流れ・戸籍取得の注意点まで司法書士が解説

「親が亡くなったあと、銀行の口座ってどうすればいいの?」
そんな疑問を持った方は多いのではないでしょうか。

銀行の相続手続きは、死亡によって口座が凍結され、必要な書類を揃えて銀行に提出しなければ預金を引き出すことができません。
しかも、相続人の人数や状況によって必要な書類が異なるため、手続きは想像以上に複雑です。

本記事では、銀行の相続手続きにおける必要書類・流れ・戸籍収集の注意点を司法書士がわかりやすく解説します。
実務に基づいた内容ですので、「自分でやるのは大変そうだな」と感じている方にも役立つ内容となっています。

目次

銀行の相続手続きとは?

被相続人(亡くなった方)の銀行口座は、死亡の事実が銀行に伝わると凍結され、出金や引き落としが一切できなくなります。

そのため、預金を解約・払い戻しするためには、相続人全員での相続手続きが必要です。

  • 銀行所定の手続書類を記入
  • 戸籍・印鑑証明書・相続関係書類などを準備
  • 相続人全員で署名・押印
  • 審査後に払い戻しまたは相続分の分配

※金融機関によって細かい書式や手続き方法は異なるため、事前に確認が必要です。

相続の形で変わる必要書類一覧

銀行の相続手続きでは、以下のような書類が一般的に必要とされます。

  • ⓐ 被相続人の出生から死亡までの戸籍一式(除籍・改製原戸籍を含む)
  • ⓑ 相続人全員の戸籍謄本
  • ⓒ 預金の払い戻しを受ける相続人の印鑑証明書
  • ⓓ 運転免許証やマイナンバーカードなどの本人確認書類
  • 通帳またはキャッシュカードなど

さらに、遺産分割の状況に応じて、次のいずれかの書類が必要になる場合もあります。

分割の形添付書類
遺産分割協議による場合遺産分割協議書(全員の署名+実印)
家庭裁判所の調停・審判による場合調停調書謄本または審判書謄本、審判確定証明書
遺言による分割の場合遺言書またはその写し(検認済証明書付きの場合あり)

🔸 注意:銀行によって必要書類や手続き方法は異なるため、手続きを始める前に必ず金融機関に確認しましょう。

また、名義変更手続き後に預金の内容が確定してしまうと、相続放棄が認められなくなるリスクもあります。

相続を放棄する可能性がある方は、手続きの前に家庭裁判所への申述や法的アドバイスを受けることをおすすめします。

戸籍の収集は意外と厄介?広域交付制度の落とし穴

近年、戸籍の取得方法として「広域交付制度」がスタートし、全国どこの役所でも一部の戸籍が取得できるようになりました。
ただし、この制度には重要な制限があり、相続手続きにそのまま活用できるとは限りません

✅ 広域交付制度の注意点

項目内容
請求できる対象本人、配偶者、直系尊属(父母・祖父母など)、直系卑属(子・孫など)に限られる。兄弟姉妹・おじ・おばの戸籍は請求不可。
方法窓口のみ。郵送請求や代理人(委任状を含む)による請求は不可。本人が役所に直接出向く必要がある。
請求できない書類戸籍抄本、除籍抄本、戸籍の附票など。これらは本籍地の役所に別途請求が必要。

特に相続人が兄弟姉妹や甥・姪など傍系親族の場合には、広域交付制度の恩恵を受けられません。

また、戸籍の附票については私も取得したことがあるのですが、現在居住している千葉県松戸市ではなく、わざわざ本籍地である文京区役所にまで出向いて取得してきました。

時間があれば良いのですが、忙しくて時間がない方などにとっては、戸籍の収集は面倒な手続きです。

戸籍が取れない=手続きが止まる

相続人の中には「5通取り寄せたけど、つながらなかった」「役所から“本籍が違います”と返送された」という方もいます。
戸籍収集が終わらなければ、銀行も動いてくれません。つまり、戸籍を揃えられるかどうかが手続き全体の進行を左右するのです。

司法書士に依頼するメリット

「時間がかかっても自分でできるから…」と思っていても、

  • 戸籍が全国に点在している
  • 戸籍の附票の取得方法がわからない
  • 相続人が多くて協議書の作成が難しい
  • 銀行ごとに提出書類が異なる

こういったケースでは、途中で手続きがストップすることも。

司法書士であれば、以下のような対応が可能です。

  • ✔️ 戸籍の職権取得(全国の役所に対応)
  • ✔️ 相続関係図の作成
  • ✔️ 法定相続情報一覧図の取得
  • ✔️ 銀行手続きのサポートから不動産の相続登記まで一括対応

「自分でやるのは不安」「できれば一括で任せたい」――そんな方こそ、専門家への依頼がスムーズな解決につながります。

📝まとめ|相続手続きは、正確さとスピードが命です

銀行の相続手続きは、書類が揃えば早いですが、揃え方を間違えると何度もやり直しになることがあります。

  • 広域交付の限界を知らなかった
  • 除籍や附票が取れないままだった
  • 相続人の協力が得られなかった

こうしたトラブルを防ぐには、最初の一歩から正確に進めることが大切です

📞 初回無料相談|栗栖法務事務所(東京都文京区湯島)

栗栖司法書士行政書士事務所では、相続に関する各種手続きを一括でサポートしています。

  • 銀行の相続手続き
  • 戸籍の取得・整理
  • 法定相続情報一覧図の作成
  • 相続登記

📍東京都・埼玉県・千葉県・神奈川県に対応

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