闇バイトとは?危険性とリスクを徹底解説

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闇バイトとは?|その背景について

近年、SNSを通じて「簡単に稼げる」といった文句で募集される「闇バイト」が急増しています。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20241105-OYT1T50005/

特に若者の間で広がる闇バイトには、SNSの匿名性や簡便さが影響しており、多くの人がその甘い誘いに引き寄せられています。

では、なぜSNSで闇バイトが広まり、若者が危険を顧みず参加してしまうのでしょうか。

SNSを通じた「手軽さ」がもたらすリスク

SNS上では匿名でやり取りできるため、悪質な募集も簡単に広がりやすい環境が整っています。

XやInstagramといったプラットフォームでは、犯罪組織が一般ユーザーになりすまし、「高額報酬」「短期間で稼げる」などと宣伝。これらの投稿は、一見すると普通のアルバイトのように見え、一般的な求人サイトを通じない求人募集としてリーチされます。

また、SNSのDM(ダイレクトメッセージ)機能により、募集の投稿を見た若者が簡単に連絡を取れることも、増加要因のひとつです。

匿名でのやり取りにより、相手の本当の素性が分からないまま話が進んでしまい、結果として違法な行為に手を染めてしまうリスクが生じます。

簡単で稼げる」魅力と現代の経済状況

特に若者にとって、「短時間で高収入」という文句は非常に魅力的です。

現代の経済状況において、学費や生活費に悩む学生や、安定した収入が得られない若い世代が多くいます。

そんな状況下で「数時間で数万円稼げる」「特別なスキルが不要」という宣伝文句は、経済的な不安や将来への不安を抱える人々にとって大きな誘惑となります。

また、最近では「楽して稼ぐ」といったライフスタイルを推奨するSNS投稿も増えており、「労力をかけずに報酬が得られる」ことが前向きに捉えられる風潮もあります。

このため、多くの若者が「自分もできるかもしれない」という気軽な気持ちで、闇バイトに足を踏み入れてしまうのです。

ただ、「できるだけ楽してお金が欲しい」というのは若者だけではないと思います。

私は昨日、司法書士試験に最終合格しましたが、まだ就職が決まっていません。

そうなった時「少しでもいいからお金を稼いだほうがいいかな」と思いアルバイトの求人を見たりします。

すると、いろいろとあることはあるんですよね…。

でも、50近い年齢や腰痛があることからすると、あまり厳しい仕事はできないのが現状です。

さすがに、司法書士試験に合格して闇バイトをすることはないのですが…。

「少しでも体に優しい仕事をしたい」という気持ちは若者以外の人間にもあると思います。

念のため…。

知識不足と危機意識の低下がもたらす危険性について

SNSでの募集に参加してしまう背景には、闇バイトに対する危険性についての知識不足もあります。

特に、違法行為に加担することがどれほどのリスクを伴うか、実際に逮捕された場合のペナルティや社会的信用の喪失について知らない若者も多く、簡単に募集に応じてしまうケースが見られます。

司法書士試験合格者が語る「闇バイトが割に合わないか」という事

司法書士の仕事の主な業務は不動産登記や商業登記などの登記実務です。

刑事事件の弁護は弁護士の領域ですし、犯罪者を起訴するのは検察官の領域です。

ただ、司法書士試験の受験科目には刑法があるため、司法書士試験合格者の多くは、それなりに刑法の知識があります。

その観点から、闇バイトがどれだけ割に合わないかを説明させてください。

この間、わずか数万円を奪うために、強盗殺人を犯したという事件がありました。

https://www.sankei.com/article/20241103-3NMQQQFLCNOO3OD72VS4AXBP7Y/

検察官が起訴する内容がわからないので何とも言えないのですが、単に条文だけを見ると強盗殺人罪に該当する事件です。

まず条文をご覧ください。

第240条

強盗が、人を負傷させたときは無期又は6年以上の拘禁刑に処し、死亡させたときは死刑又は無期拘禁刑に処する。

強盗が相手を負傷させた時でも「無期又は6年以上の拘禁刑」です。

死傷させた時に至っては「死刑又は無期拘禁刑」です。

わずか数万円を奪うために誰かを負傷させたり、死亡させることがどれだけ大きなペナルティーになるかわかると思います。

法律知識の乏しさが招く悲劇

闇バイトにおいては、現場に行く途中で「闇バイトだと気が付いた」という場合があるといいます。

そうすると、最初から強盗をする気はなかったのだと思います。

しかし、たとえそうだとしても安易な発想で高額報酬のアルバイトに応募することは、危険な目に遭う可能性が高いという事を理解しないといけません。

もっとも「気をつけろ」というだけでは不十分ですよね。

ではどうしたら若者が闇バイトに応募するようなことを少しでも減らすことができるのでしょうか?

これに対する私の意見は「法律に関する知識を子供のころから教えておくこと」です。

最近金融教育が叫ばれており、高校生の段階でも投資などについて教えられています。

しかし、法律はどうでしょうか?

おそらく、時折学校に警察の方などが来て「こういった問題があるから気を付けてください」と言ったり、授業を年に数回行うことはあると思います。

しかし、それだけでは不十分だと思います。

私の体験で申し訳ないのですが、私は中学時代担任で部活の顧問から性被害に遭いました。

当時何をされているのか自体は認識していましたし、助けも求めていました。

ただ、当時の私には「自分がされていることがどれだけ悪質なことなのか」「もしこの加害者が逮捕されて裁判で有罪になった場合は、どれだけの期間刑務所に行くことになるのか」という事です。

ちなみに、千葉市の小学校で起きたわいせつ事件では、私の加害者と同じようなことをした人物が懲役14年の実刑判決を受けています。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20210128-OYT1T50291/

もし、懲役14年の実刑判決を受けるような人物が、あなたやあなたの子供のいるの学校で平然と教師をしていたらどう思うでしょうか?

考えたくもないですよね…。

しかし、こういったことを知らない場合、「おかしいのだけどどれだけおかしいのかわからない」といった感覚を持つことになります。

この感覚の違いは思っている以上に大きいものです。

まとめ

私は、闇バイトについて考える際、ただ「やらないほうがいい」と漠然と警告するだけでは、十分な抑止力にならないと思います。

「安易に闇バイトに応募すれば、無期懲役や死刑といった厳罰に処される可能性もある」といった具体的なリスクを示すことで、若者たちの意識をより強く喚起できるのではないでしょうか?

知識はまさに「宝」です。

正しい知識があれば、間違った行動を未然に防ぐことができます。

実際、東京の司法書士会も高校に出向き、法律教育を行っていると聞きます。

同様に、弁護士会も同種の活動を行っているはずです。

しかし、まだこの教育は十分とはいえません。

現代では、学校の在り方やカリキュラムが多様化していますが、私はぜひ小学生の段階から法律教育を取り入れるべきだと感じています。

法律の基礎を若い段階から学ぶことで、社会のルールや犯罪のリスクをより深く理解し、安易に違法行為に関わらないための土台が築かれるのではないでしょうか。

こうした取り組みが、結果的に闇バイトの被害を減らす大きな力になると信じています。

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