近年、不動産取引を巡るトラブルが増加しています。
その中でも地面師による詐欺事件が注目されがちですが、不動産取引におけるトラブルはそれだけに限りません。
認知症による意思能力の問題、代理人による詐欺、さらには本人になりすました取引など、多様なリスクが潜んでいます。
こうした背景から、司法書士が行う本人確認は極めて重要だと思います。
司法書士と本人確認
司法書士は不動産登記や会社登記など、重要な権利や財産に関わる手続きを担っています。
そのため、登記手続きにおいて「本当に取引を行う本人かどうか」を確認することは欠かせません。
本人確認を怠ると、後々重大なトラブルに発展する可能性があります。
セミナーで学んだ実務の重要性
最近学んだオンラインの実務家向けセミナーでは以下のようなことを学びました。
認知症と意思能力の確認
認知症が進行している場合、本人が契約内容を十分に理解できないことがあります。
こうした場合、契約が無効になるリスクがあるため、司法書士が事前に意思能力を確認することが求められます。
セミナーでは、こういったときの確認方法について、やっていい確認方法とやってはいけない確認方法について学びました。
代理人を通じた取引の危険性
代理人を通じて契約が行われる場合でも、司法書士は本人に会い、真の意思が存在しているかどうかを確認する必要があります。
ときおり、本人に会うことを拒まれることもあるそうですが、そういった場合は断るのも大事なことだそうです。
詐欺の手口への警戒
詐欺師が本人になりすまして取引を進めるケースもあります。
特に不動産取引は金額が大きいため、詐欺のリスクが高く、慎重な確認が欠かせません。
もっとも、金額が小さければ詐欺のリスクがないかと言えばそうでもないという事です。
常に油断しないように注意しないといけないとのことでした。
「本人に会う」ことの大切さ
セミナーで最も印象的だったのは、本人に直接会うことの重要性についての議論です。
大企業の取引のように代表取締役と会えない場合もありますが、司法書士が扱う業務では、ほとんどの場合、本人確認が可能です。
書類やデジタル証明だけではなく、本人と直接会うことで信頼性が格段に向上するとのことでした。
私はまだ司法書士登録をしていないのですが、こういったことを学ばせていただけるという事は、修行中の身ながら非常に役に立ちました。
実務家としての準備と今後の研修
司法書士として実務に取り組むためには、日々学び続ける姿勢が欠かせません。
12月から私が受講する司法書士会の研修では、基礎的な知識やスキルが磨かれますが、それだけでなく、最新の詐欺手口やトラブル事例についても積極的に情報を収集する必要があります。
まとめ
司法書士にとって、本人確認は単なる手続きの一部ではなく、不動産取引の安全を守る重要な仕事になります。
認知症や詐欺のリスクが高まる中、実務家としての経験と知識を深め、適切な対応を行うことは、専門家としての重要な責務です。
その責務をしっかりと果すために、11月初めには宅建の実務講習を受け、不動産取引がどうやって行われ、司法書士に登記依頼が来るかについて学んできました。
そして、単なる司法書士有資格者から司法書士になるための一歩として12月からの研修があると思います。
信頼される実務家になるためにも、日々学び続ける態度を大事にしたいと思います。