勤務か即独かという悩みについて

司法書士試験に合格すると就職活動が待っています。

合格祝賀会などに行くと「就職が決まった」という方もおり、「自分だけ取り残されているのでは」と不安になることもあります。

今回は、事務所勤務か即独かについて自分なりに考えてみました。

目次

事務所勤務のメリットとデメリット

メリット1:安心して学べる環境

事務所勤務の最大の魅力は、先輩や上司が身近にいる環境で、わからないことがあればすぐに相談できる点です。

法律実務は知識だけでなく、経験や応用力も必要とされる世界です。

そのため、勤務先の上司や同僚からフィードバックを受けながら実務を学べる環境は、新人司法書士にとって大きなメリットといえると思います。

また、業務における失敗のリスクも分散されるのが事務所勤務の良い点です。

仮に判断ミスをしてしまっても、先輩や事務所のチェック体制があるため、重大な損害につながる可能性は低くなります。

このような「安全ネット」がある環境は、経験が浅い段階では特に心強いといえます。

メリット2:経済的な安定

事務所勤務の場合、定期的な給与が支給されるため、経済的な安定も期待できます。

独立して自営業を営む場合、収入が不安定になる可能性がありますが、勤務であればその心配が少なく、生活基盤を固めやすいのが特徴です。

ただ、これを言うと「お前の生活を安定させるために雇うわけじゃないぞ」と言われそうですが…。

デメリット:裁量の制限

一方で、事務所勤務には「自由度の低さ」というデメリットもあります。

業務内容や方針は基本的に事務所のルールに従う必要があるため、「自分のやりたいように仕事を進めたい」というわけにはいきません。

この点はデメリットと言えるのかもしれません。


独立のメリットとデメリット

メリット1:裁量権の大きさ

独立の最大の魅力は、すべてを自分の裁量で決定できることです。

どのような案件を受けるか、どのように業務を進めるか、どの顧客と関わるかなど、業務のすべてを自分の意思で決められる自由さは、独立ならではの魅力です。

また、自分の看板を掲げることで、直接お客様から感謝されたり、信頼される機会が増えるのも独立の醍醐味です。

事務所勤務では感じられない「責任とやりがい」を実感できると思います。

デメリット1:経済的リスク

しかし、独立には大きなリスクが伴います。

特に、事務所を立ち上げる際には事務所の賃料や備品費用、広告費など、多額の初期費用が必要です。

また、開業してすぐに顧客が集まる保証はなく、収入が不安定になる可能性もあります。

デメリット2:失敗の重み

さらに、独立後の業務では、自分の判断ミスが直接顧客に影響を与えることもあります。

特に、登記や法律相談などのミスは、顧客に経済的損失や信頼喪失を与える可能性があり、その責任をすべて自分で負わなければなりません。

このような「失敗の重み」を背負う覚悟が必要です。


どちらを選ぶべきか?現在の考え方

私自身、現時点では事務所勤務を経て独立するのが理想的なのではと考えています。

だからと言って「お客さん」として就職するわけではないです。

独立志向を持ちながら「今の自分に何が必要なのか」と考え仕事をすることは勤務先の事務所にとっても有益だと思っています。

ただし、司法書士としての求人状況によっては、事務所勤務の選択肢がない場合もあるでしょう。

そのような場合には、配属研修を経て独立を考えざるを得ないこともあります。

常に最悪の準備をしておく必要があると思います。

どちらに進んでもいいように、勉強だけはしっかりとしておきたいと思います。

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