相続登記の費用は、大きく分けて、法務局へ納める登録免許税、戸籍や証明書の取得費用などの実費、司法書士へ依頼する場合の報酬の3つです。
登録免許税は不動産の評価額によって変わり、司法書士報酬は相続人の人数、戸籍収集の範囲、不動産の数、数次相続の有無などによって変わります。そのため、「相続登記は一律いくら」とは言えません。まず内訳を分けて考えると、総額を見通しやすくなります。
相続登記の費用は3種類
| 費用 | 内容 | 誰が手続きしても必要か |
|---|---|---|
| 登録免許税 | 相続登記の申請時に国へ納める税金 | 原則として必要 |
| 書類取得費・郵送費 | 戸籍、住民票、評価証明書、登記事項証明書など | 必要 |
| 司法書士報酬 | 書類確認、調査、申請書作成、代理申請など | 司法書士へ依頼する場合 |
登録免許税は原則として固定資産評価額の0.4%
相続による所有権移転登記の登録免許税は、原則として、不動産の固定資産税評価額に0.4%を掛けて計算します。売買価格や相続税評価額ではなく、固定資産税評価額を使う点に注意してください。
計算の基本:固定資産税評価額 × 0.4%(1000分の4)
| 固定資産税評価額 | 登録免許税の概算 |
|---|---|
| 1,000万円 | 4万円 |
| 2,000万円 | 8万円 |
| 3,000万円 | 12万円 |
土地と建物がある場合は、対象となる不動産の評価額を合計して計算します。共有持分だけを相続する場合は、持分に対応する評価額を基礎にします。実際の計算では課税標準額や税額の端数処理があります。
2027年3月31日までの登録免許税の免税措置
相続登記の登録免許税には、一定の土地について免税措置があります。2026年9月時点では、適用期限は2027年3月31日まで延長されています。
- 相続により土地を取得した人が、その土地の相続登記をしないまま死亡した場合に行う一定の登記
- 不動産の価額が100万円以下の土地について行う一定の相続登記や所有権保存登記
免税の対象は土地であり、建物には同じ免税措置が適用されません。また、申請書に免税の根拠条文を記載する必要があります。評価額が低い土地や数次相続がある場合は、適用できるかを確認してください。
戸籍などの実費
相続登記では、戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、住民票の除票、戸籍の附票、印鑑証明書、固定資産評価証明書、登記事項証明書などを取得します。
| 書類 | 手数料の目安 |
|---|---|
| 戸籍全部事項証明書 | 1通450円 |
| 除籍謄本・改製原戸籍 | 1通750円 |
| 住民票・戸籍の附票・印鑑証明書 | 自治体により1通200円から400円程度 |
| 登記事項証明書 | 請求方法により異なる |
| 固定資産評価証明書 | 自治体により異なる |
被相続人が何度も転籍している場合や、相続人が多い場合は、戸籍の通数と郵送費が増えます。数千円で収まることもありますが、古い相続では1万円を超えることもあります。定額小為替で請求する場合は、発行手数料も必要です。
司法書士報酬は事務所と依頼範囲によって異なる
司法書士の報酬は一律ではありません。登記申請だけを依頼するか、戸籍収集、相続人調査、遺産分割協議書、法定相続情報一覧図の作成まで依頼するかによって変わります。不動産が複数の法務局管轄にある場合や、複数の相続が重なっている場合には加算されることがあります。
栗栖司法書士事務所では、依頼範囲に応じて次の3つのプランを設けています。
| プラン | 料金(税込) | 主な内容 |
|---|---|---|
| 基本プラン | 66,000円 | 書類を用意済みの方向け。相続関係説明図、申請書作成、登記申請など |
| 標準プラン | 88,000円 | 基本プランに加え、相続人調査、被相続人の戸籍収集、遺産分割協議書作成 |
| おまかせプラン | 99,000円 | 標準プランに加え、法定相続情報一覧図の作成 |
登録免許税、戸籍等の取得費用、定額小為替手数料、郵送費などの実費は別途必要です。相続人や不動産の数、数次相続の有無、管轄法務局の数などにより追加料金が発生する場合があります。
費用総額の計算例
例として、土地と建物の固定資産税評価額の合計が2,000万円で、標準プランを利用する場合を考えます。
| 内訳 | 概算 |
|---|---|
| 登録免許税 | 8万円 |
| 司法書士報酬 | 8万8,000円(税込) |
| 戸籍等の実費・郵送費 | 取得通数等により変動 |
| 合計 | 16万8,000円+実費(追加料金がない場合) |
これは単純な例です。評価額100万円以下の土地の免税、数次相続、相続人の人数、不動産の件数などによって実際の総額は変わります。正式に依頼する前に、費用の対象と追加料金の条件を確認してください。
相続登記の費用は誰が払う?
相続登記の費用を誰が負担するかについて、一律に不動産取得者だけが負担しなければならないという決まりはありません。実務上は、不動産を取得する人が負担する、相続財産から支払う、相続人で分担するなど、相続人間の話合いで決めます。
後から認識の違いが生じないよう、遺産分割協議の段階で登録免許税や司法書士報酬の負担方法も確認しておくとよいでしょう。
正確な見積りに必要な情報
- 亡くなった方の死亡時期
- 不動産のおおよその所在地と固定資産税納税通知書
- 相続人として心当たりのある方の人数
- 遺言書の有無
- 遺産分割協議がまとまっているか
- 戸籍や遺産分割協議書をどこまで用意しているか
- 過去の相続が重なっているか
これらが分かれば、登録免許税を含む費用総額の見込みを出しやすくなります。書類がすべてそろっていなくても、固定資産税納税通知書など手元にある資料から確認できます。
費用を確認してから依頼したい方へ
栗栖司法書士事務所では、現在の状況を確認し、司法書士報酬だけでなく、登録免許税や戸籍取得費用なども含めて、分かる範囲で費用の見込みをご案内します。依頼する手続きの範囲も、書類の準備状況に合わせて選べます。
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参考情報
日本司法書士会連合会:司法書士の報酬
※本記事は2026年9月時点の制度・当事務所料金を前提としています。税制や料金は変更されることがあります。
相続登記についてお困りの方へ
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※登録免許税、戸籍取得費用、郵送費などの実費は別途必要です。
電話:080-8911-8112
栗栖司法書士事務所